リスティング広告に向かないビジネスとは?やる前に理解したい実践的な考え方

リスティング広告

これからリスティング広告を自分で始めようと考えている方を対象にした記事です。既に運用しているがうまくいってない方にも参考になると思います。

  • リスティング広告以外の集客方法は考えましたか?
  • CPC、CVR、CPOを理解していますか?
  • あなたのビジネスはリスティング広告に向いていますか?
  • あなたの会社はリスティング広告で利益をだせますか?

本記事は自社のビジネスで長くリスティング広告を運用してきた筆者が、その経験から得た知識やノウハウを基に、リスティング広告をスタートする前に必ず理解してほしい基礎知識と実践的な考え方を詳しく解説します

以上を理解したうえで、次は広告の運用前に決めておきたい4つの重要ポイントがあります。

  • 代理店に任せるかインハウスでやるか?
  • Google広告とYahoo!広告のどちらが向いているか?
  • 検索連動型広告とディスプレイ広告のどちらが向いているか?
  • 着地ページになるランディングページ(LP)は用意されているか?

※本記事では上記4つの解説は行っておりませんので以下の記事をご覧ください。

リスティング広告以外の集客方法は考えましたか?

あなたはリスティング広告以外のWeb集客方法を理解していますか?

理解したうえでリスティング広告を選択されたのならいいのですが、Web集客には無料でできる方法もたくさんありますので、まだの方は以下の記事で他のWeb集客の方法をご確認ください。

リスティング広告は年々、費用対効果が悪くなってきています。様々なWeb集客方法を知り、自社のビジネスにとって本当にリスティング広告をやる価値があるのかをよく考えてから始めてください。

CPC、CVR、CPOを理解していますか?

リスティング広告をこれから始めようとする方は「CPC」「CVR」「CPO」というマーケティング用語を理解してください。なんだか難しそうですが、この後の本記事を理解するうえでも、またリスティング広告を成功させるためには避けて通れないので、なるべく分かりやすく解説します。

あなたは、なぜリスティング広告を始めるのですか?

それはもちろん売上や利益を上げるためですね。そのためには必ずスタート前に、売上や利益の予測や目標を立てなければいけません。また、目標に達成できない場合は広告のやり方を改善しなければいけません。

CPC、CVR、CPOを理解することで、自分で目標や改善ができるようになります。

それではシンプルなモデルケースを使って説明しましょう。

広告予算は10万円、客単価は2万円、粗利益率70%、1件当り粗利益は14,000円とします。

ステップ1:
最初に、1クリック当りの広告費(クリック単価)をいくらぐらいになるか予測します。クリック単価は、検索キーワードによって大きく変わります。範囲は100円~3,000円ぐらいでしょうか。今回は最低ラインの100円にします。

この1クリック当りの広告費のことを「CPC」と言います。CPCとは「Cost Per Click」の略で、自社サイトにユーザーを1回引き込むのにかかるコストのことです。1回ごとの費用は上下するため実際には平均の費用が使われます。

ステップ2:
その次に、クリック数に対しての注文率の目標を決めます。筆者の経験上、現実的には0.1%~3%ぐらいでしょうか。今回は1%を目標にします。

この注文率のことを「CVR」と言います。CVRとは「Conversion Rate」の略で、一般的には「コンバージョン率」と言います。コンバージョンとは成果のことで、クリック数に対しての成果の割合です。

CVRはWebサイトの完成度を測るうえで大変重要な指標です。それは販売する商品のブランド力、知名度、価格などで大きく変わります。サイトのデザイン、ユーザビリティ、ライティング等でも変化します。尚、CVRは注文数を成果にする以外に、資料請求等の数を成果にするケースもあります。

ステップ3:
CPCとCVRが決まったら、次の計算をします。
広告予算は10万円ですので、CPC100円で割るとクリック数は1,000回になります。CVRが1%ですので、1,000回x1%で10件の注文になる計算です。

ステップ4:
最後に、注文1件当りの広告費はいくらになるかを計算します。広告予算が10万円で10件の受注ですので、10万円÷10件で10,000円になります。

この注文1件当りの広告費のことを「CPO」と言います。CPOとは「Cost Per Order」の略で「顧客獲得単価」という意味です。CPOが低いほど、費用対効果は高いということになります。

※類語に「CPA」(Cost Per Acquisition)と言う用語があります。CPOは受注になったアクションですが、CPAは問い合せや資料請求等まだ注文になる前のアクションも広く含まれます。

CPOは大変重要な指標です。CPOを広告配信結果から分析して改善策を検討することだけでなく、スタート前でも業界相場のおよそのCPCとCVRだけわかれば、CPOを予測することができます。
計算式は【CPO=CPC÷CVR】、モデルケースでは【10,000円=100円÷001】です。

CPOの予測ができれば、目標の注文件数を達成するには、広告費がいくら必要かの予測もできます。CPO予測が10,000円なら、20件の注文が欲しい場合は20万円の広告予算が必要になるということです。

ステップ5:
以上から、1件当り粗利益は14,000円に対して、CPOが10,000円ですので広告費を引いた1件当りの利益は4,000円になりますね。つまりお客さんを一人獲得するのに10,000円をかけて、得られる粗利益が4,000円ということです。CPOが14,000円以上かかると赤字なるのはわかると思います。

リスティング広告をスタートする前には最低でもこのぐらいは自分でシミュレーションする必要があります。代理店に運用を任せる場合もなるべく自分でやってください。何故なら代理店はあなたのビジネスに詳しくないからです。その結果を見て、あなたのビジネスでリスティング広告をやるかどうかを決めるべきです。

あなたのビジネスはリスティング広告に向いていますか?

リスティング広告に向き・不向きのビジネスがあるのをご存じですか?

あくまで筆者の個人的見解ですが、リスティング広告に向かないビジネスは以下の4種類です。

  • 店舗ビジネスとECビジネス
  • 客単価が低いビジネス
  • 緊急性がないビジネス
  • リピート性がないビジネス

店舗ビジネスとECビジネス

なぜ、店舗ビジネスとECビジネスはリスティング広告に向かないのか?

理由ですが、店舗ビジネスでお店への集客を増やしたいなら、リスティング広告をやる前に「Googleマップ」を最初にやるべきです。Googleマップで集客するのは費用は一切かかりません。

他にも、LINE公式、Instagram、TwitterなどのSNSを立ち上げて投稿するなども無料でできます。リスティング広告は、その後でお金に余裕があるようでしたらやってください。

次にECビジネス(ネットショップ)ですが、これから開業する方が自前でネットショップを作って、リスティング広告で集客するのはあまりにもリスクが大き過ぎます。

まずは楽天市場、Amazon、Yahoo!ショッピング、ヤフオクなどへのモールに出店を考えた方がよいと思います。その他にも、アフィリエイト広告やSNS投稿、SNS広告などの選択肢もあります。

リスティング広告は年々、キーワード単価が上昇し、費用対効果が悪くなっています。一般的にネットショップで商品を購入する人は色々なサイトを見て、徹底的に価格比較をします。

広告から集客しても、よほど商品にオリジナリティがあって知名度がある商品や、安くてしても粗利益率が高くとれる商品以外はリスティング広告で利益をだすのは難しいと思います。

客単価が低いビジネス

なぜ、客単価が低いビジネスはリスティング広告に向かないのか?

理由は、先ほど解説した「CPO」と関連します。
モデルケースでCPOが1万円の場合で客単価が2万円だった場合は1件当り14,000円の利益がでましたね。

ところが、もし客単価が8,000円の場合はどうでしょうか?CPOが同じ10,000円だとすると、1件当たり2,000円の赤字になります。

もちろん、CPCが100円より低かったり、CVRが1%より高くなればCPOを10,000円より低く抑えられますが、現実的にはどちらも難しいです。

やはり客単価が低いビジネスはリスティング広告では不利と言えます。

緊急性がないビジネス

なぜ、緊急性がないビジネスには向かないのか?

それは、緊急性がないビジネスは、広告をクリックしてもすぐに買ってくれないということです。

リスティング広告はクリックされるだけで広告費が発生する仕組みですので、クリック数の割には注文が増えないことになります。要はCVRが悪いということです。

それではこのようなビジネスではどうすれば良いのでしょうか?

答えの一つ目は、CPCを下げればいいのです。
もしCPC100円を80円に下げられれば、同じ広告費10万円でも1,250回のクリックがされます。
そうなると、同じCVR1%でも受注は12.5件になり、CPOは8,000円に下がります。

CPCが下げられない場合はどうするのか?

それはWebサイトを改善してCVRを上げることです。

前述しましたが、あなたが運営するWebサイトで販売する商品の種類や価格などを変えるか、サイトのデザイン、ユーザビリティ、ライティング等を改善することでCVRを上げることはできます。

リピート性がないビジネス

なぜ、リピート性ががないビジネスには向かないのか?

理由は、現実にはCPOが粗利益を上回って赤字になることがあるからです。

モデルケースでは、CPC100円、CVR1%としましたが現実的にはどうでしょうか?CPC100円は可能な金額ですが、CVR1%が問題です。既に説明しましたがCVRは商品力やWebサイトの出来に左右されるので、筆者の経験でもどちらかが弱い場合0.1~0.5ぐらいはむしろ一般的です。

もしCVRが0.5%だった場合、CPOは倍の20,000円に跳ね上がります。すると1件売るごとに6,000円の赤字になります。この赤字を黒字に持っていくには、同じお客さんに繰り返し買ってもらう必要があります。

このような理由から、1回購入したらその後のリピート性がないビジネスはリスティング広告では不利になるということです。

あなたの会社はリスティング広告で利益をだせますか?

「あなたのビジネスはリスティング広告に向いているのか?」と一部重複するところもありますが、とても重要ですので角度を変えて詳しく説明します。

  • 扱う商品はリスティング広告で売れるのか?
  • Webサイトはコンバージョン(CV)がとれるレベルなのか?
  • 競合が多い業種で、利益はだせるのか?

扱う商品はリスティング広告で売れるのか?

「店舗ビジネスとECビジネス」でも説明しましたが、あなたの会社で扱っている商品によってはリスティング広告よりも、他の集客方法を採用した方が良い場合もあります。

店舗ビジネスでしたら「Googleマップ」での集客は無料でできますし、LINE公式などのSNS投稿も無料でできます。ECビジネスなら、楽天市場などのショッピングモールへの出店や、アフィリエイト広告やSNS広告なども検討した方がよいでしょう。

前述しましたが、商品にオリジナリティや知名度がある商品や、粗利益率が高くとれる商品以外は今後リスティング広告で利益をだすのは難しいと思います。

Webサイトはコンバージョン(CV)がとれるレベルなのか?

リスティング広告は、見込みユーザーをあなたが運営するWebサイトに引き込むだけに過ぎません。

肝心なのは、訪問したユーザーが商品を買ってくれるかどうかです

すでにご存じの通り、リスティング広告はクリックされただけで費用が発生する仕組みです。成功するには、いかにコンバージョン率(CVR)を上げられるかにかかっています。

これも前述しましたが、CVRを上げるためにはWebサイトのデザイン、ユーザビリティ、ライティングの質を高めることですがそれ以外に、商品の魅力を伝える写真撮影や、ユーザーに迷わず商品を買ってもらえる導線設計もとても重要です。

もし既存のWebサイトに問題があるようでしたら、リスティング広告を始める前にWebサイトのリニューアルを検討したり、新たにランディングページを作成することをお勧めします

まとめ

これまで説明してきました通り、本記事はこれからリスティング広告を始めようと考えている方に、事前に知ってもらいたい事、考えてもらいたい事を中心に書いてきました。

さらに既にリスティング広告をやっているがうまくいってない方には、ここで一度立ち止まってもう一度見直してもらい、あなたのビジネスにリスティング広告は向いているのか?他の方法はないのかを考えてもらうきっかけになれば幸いです。

筆者は自社で運営するiPhone修理店、パソコン修理店でもリスティング広告を運用してきましたし、Yahoo!広告がまだオーバーチュアという名称の頃から様々な自社ビジネスでリスティング広告を運用し、企業からの運用代行も多くしてきました。

リスティング広告も初期の頃はまだ出稿する会社も少なく、少ない費用で大きな収益をだすことができましたが、近年は採用する会社も大幅に増えたことで検索キーワードの単価も上昇し、費用対効果も年々悪くなっている実感があります。

そのような理由からSEO対策、MEO対策、SNS集客など色々なWeb集客方法をやってきました。今お読みのこのサイトも新たな試みとしてオウンドメディアとして開始しました。

そのような経験から得た知識、ノウハウをこれから始めようとする方にお伝えすることで、少しでも業績を上げ利益をだせるお手伝いができればというのが、この記事を書くきっかけです。

最後までお読みいただき、ありがとうございます。

SEO対策プロフェッショナル養成講座

WEB集客をインハウス運用(内製化)するための第一歩として、
SEO対策を学習していただくスクールを開催しております。

詳しく見る

関連記事一覧