リスティング広告とは?これから始める初心者にもわかりやすく仕組みを解説します
リスティング広告とは、GoogleやYahoo!の検索エンジンでユーザーが検索したキーワードに関連した広告を掲載する広告手法のことです。キーワードはオークション形式で、高い単価を設定した広告から上位に表示されます。検索連動型広告やPPC広告(Pay Per Click)とも呼ばれ、広告がクリックされると費用が発生します。
本記事では、リスティング広告の仕組みとはどういうものか、実際にどのように表示されるのか、開始前の準備には何が必要か、広告アカウントの開設から配信までの流れをこれから始める初心者にもわかりやすく解説します。
リスティング広告の仕組みとは
検索連動型広告
リスティング広告は、広告主の商品やサービスに関連するキーワードをユーザーが検索すると広告が表示されます。そのためユーザーが対象となる商品やサービスを探すとき、どのようなキーワードを検索するかを予想します。
作成した広告にマッチしたキーワードを設定しておくと、ユーザーがそのキーワードで検索したときに広告が表示されます。たとえば、誰かが「中古パソコン+安い+横浜」というキーワードを検索すると、検索結果ページに広告が表示されます。
掲載順位はオークション形式
実際に掲載される広告は、どのように決まるのでしょうか。ユーザーが検索エンジンで何かを検索すると広告オークションが行われ、表示する広告が決定されます。広告オークションは、広告の掲載順位の基準となる「広告ランク」と呼ばれるスコアが算出されます。通常は広告ランクの最も高い広告がページの最上部に表示されます。ヤフオクなどのように入札単価が一番高いだけではだめなのです。
クリック課金制
リスティング広告は、何回広告が表示されたかではなく、広告を見たユーザーがクリックした場合にだけ料金が発生します。キーワードごとに、1クリック当りの広告料の上限額を指定できます。また、1日の予算額を設定することができます。例えば1クリックの上限が100円で、1日の予算を3,000円にすると30クリックで広告がストップします。(※ただし、3,000円を超える日も発生しますが、月予算90,000円を超えることはありません。)
広告費用の支払い方法
広告費用の支払いは、リスティング広告会社の口座に前もって入金しておきます。例えば月予算が20万円ならその分を、銀行振込み又はクレジットカード決済で支払いをします。広告が消化して入金残高がゼロになる前にまた入金します。
リスティング広告の媒体
リスティング広告の媒体は「Google広告」と「Yahoo!広告」があります。それぞれの違いやメリット・デメリットもありますが、まずは2種類あることを覚えてください。
リスティング広告の表示場所
Google広告の表示場所
Google広告で、検索キーワードを「中古パソコン+安い+横浜」で検索して表示した内容です。画面の一番上に4件表示されます。Google広告には必ず左上に「広告」と表示されます。画面の一番下にも4件広告が表示されます。1ページに上下合わせて最大で8件表示されます。
Yahoo!広告の表示場所
Yahoo!広告でも同じく、検索キーワードを「中古パソコン+安い+横浜」で検索して表示した内容です。画面の一番上に4件表示されます。Yahoo!広告にも必ず左上に「広告」と表示されます。画面の一番下にも4件広告が表示され、1ページに上下合わせて最大で8件表示されるのもGoogleと同じです。
GoogleもYahoo!も同じ場所に、同じ件数表示されますが、表示されてる広告は違いますね?この検索はほぼ同じタイミングでやったのですが、広告している会社は4件とも違います。
モバイルの表示場所
リスティング広告の表示内容
広告の表示内容について説明します。GoogleもYahoo!もほぼ同じなので、Google広告で説明します。
❶表示URL
表示URLは広告主のウェブサイトのURLです。この項目には、広告をクリックするとどのようなサイトが表示されるのか、ユーザーにあらかじめ知らせる役目があります。
❷電話番号表示オプション
広告表示オプションの1つです。電話番号表示オプションを作成すると、広告内に電話番号を表示できるようになります。電話番号をクリックすることで広告主に電話をかけられます。
❸広告見出し
広告見出しは最も目立つ要素ですので、ユーザーがGoogle検索で入力する可能性が高い語句を含めると効果的です。テキスト広告は3つの広告見出しから成り、商品やサービスの宣伝をそれぞれ半角30(全角15)文字まで入力できます。合計で半角90文字、全角45文字入力できます。
❹説明文
説明文では商品やサービスの詳細を伝えます。ユーザーに期待する行動を促すフレーズを含めると効果的です。説明文は2つの広告説明文から成り、商品やサービスの宣伝をそれぞれ半角90(全角45)文字まで入力できます。合計で半角180文字、全角90文字入力できます。
❺コールアウト表示オプション
広告表示オプションの1つです。コールアウト表示オプションを使うと、「送料無料」や「年中無休」などのサービスをアピールできます。ユーザーはその広告を見ることで、お客様のビジネスや商品、サービスに関する詳しい情報を確認できます。
リスティング広告開始前の準備
本章ではリスティング広告を開始するまでに準備することをまとめました。
- 代理店運用代行 OR インハウス運用
- Google広告 OR Yahoo!広告かを決める
- 検索連動型広告 OR ディスプレイ広告
- Webサイトリニューアルを検討する
- ランディングページ(LP)制作を検討する
- 広告予算を決める
この件は以下の記事に詳しく説明していますので、ご興味のある方は参考にしてください。
代理店運用代行 OR インハウス運用
リスティング広告の運用の仕方には、リスティング広告代理店に任せる方法と、自社(インハウス)で運用する方法があります。それぞれ、メリット・デメリットがありますのでよく検討する必要があります。尚、代理店とインハウスの両社で運用する方法もあります。
Google広告 OR Yahoo!広告かを決める
リスティング広告には「Google広告」と「Yahoo!広告」の2種類あります。それぞれの違いやメリット・デメリットもあります。予算があれば両方に出稿するという選択肢もあります。とくに両社のユーザー層の違いからどちらにするかを決めるケースが多いです。
検索連動型広告 OR ディスプレイ広告
ディスプレイ広告もリスティング広告の1種です。バナー広告とも呼ばれ、検索したキーワードに関連した画像、動画、テキストの広告がクリックされると費用が発生する広告のことです。
検索連動型広告はユーザーが自分で検索したキーワードに連動させるため、すでにニーズが顕在化している、購買意欲が高いユーザーがターゲットとなり、ディスプレイ広告はユーザーが閲覧したページに勝手に表示されるため、商品をまだ知らない、購買意欲がまだない、潜在層をターゲットにした広告となります。販売する商品やサービスの違いで判断する必要があります。
Webサイトリニューアルを検討する
リスティング広告は、見込みユーザーをあなたが運営するWebサイトに引き込むだけに過ぎません。Webサイトを見たユーザーに問題があると判断されればすぐに離脱されてしまいます。その結果、広告費だけが増えてしまい、費用対効果が悪くなってしまいます。もし既存のWebサイトに問題があるようでしたら、リスティング広告を始める前にWebサイトのリニューアルを検討することをお勧めします。
ランディングページ(LP)制作を検討する
ランディングページ(landing page)とは、直訳すれば着地ページで、Web広告を見たユーザーがクリックをして最初に訪問する専用のページのことです。略してLPと言います。
既存のWebサイトとは別に、リスティング広告のリンク先としてランディングページを用意するケースは今や一般的になっております。
広告予算を決める
リスティング広告はいくらからでも始められます。スタートとしては月10万円以上~30万円程が相場でしょうか。広告予算の決め方に決まりはないですが、一般的には以下のように計算します。
❶注文1件当りの広告費を計算する
注文1件当りの広告費のことを「CPO」と言います。CPOとは「Cost Per Order」の略で「顧客獲得単価」という意味です。広告開始前でも業界相場のおよその「クリック単価」と「注文率」がわかれば、CPOを予測することができます。
計算式は【CPO=クリック単価÷注文率】です。
例えばクリック単価が100円で注文率が1%として計算すると、【100円÷001】でCPOは10,000円になります。
❷広告予算を計算する
CPO予測が10,000円なら、20件の注文が欲しい場合は20万円の広告予算が必要になるということです。
この件は以下の記事に詳しく説明していますので、ご興味のある方は参考にしてください。
リスティング広告配信までの流れ
本章では、広告アカウントの開設~リスティング広告の配信までの流れを大まかに解説します。
- 広告アカウントの開設
- キャンペーンの作成
- 広告グループの作成
- 広告の作成
- キーワードの設定
- 入札単価の設定
- 広告費用の入金(デポジット)
- 広告配信
1)広告アカウントの開設
リスティング広告をインハウスで開始するには、Google広告又はYahoo!広告どちらかの広告アカウントを開設します。代理店に運用を任せる場合は、代理店のアカウントを使用することが多いです。
以下の図はリスティング広告のアカウント構造です。アカウント>キャンペーン>広告グループ>広告・キーワードまで親子関係を表したものです。
リスティング広告はアカウント、キャンペーン、広告グループの3層で構成されています。アカウント構造はなるべくシンプルにするため、リンク先のホームページが1つであれば、キャンペーンは1つ、広告グループも1つでかまいません。その下に広告とキーワードを設定します。
2)キャンペーンの作成
キャンペーンは、1つのアカウントの下に複数作成することができます。キャンペーンでは1日の広告予算、配信スケジュール、配信地域、配信ターゲットなどの設定をすることができます。一般的には商品やサービスごとにキャンペーンを作成します。以下は中古家電販売店の参考事例です。
キャンペーン | 広告グループ | 広告予算 |
---|---|---|
中古パソコン販売 | 中古パソコン | 20,000円/1日 |
中古テレビ販売 | 中古テレビ | 10,000円/1日 |
3)広告グループの作成
広告グループは、キャンペーンの下に複数作成することができます。広告グループは広告とキーワードをまとめるものです。
広告グループの分け方には色々ありますが、分かりやすく多いはホームページ内のカテゴリー構造と、広告グループを対応させます。例えば中古パソコン販売キャンペーンでは、広告グループは1つですが、中古テレビは液晶テレビと有機ELテレビの2種類の広告グループを個別に作ることもできます。それぞれに最適なキーワードを選びます。
キャンペーン | 広告グループ | HPカテゴリ |
---|---|---|
中古パソコン販売 | 中古パソコン | 中古パソコン |
中古テレビ販売 | 中古液晶テレビ | 中古液晶テレビ |
中古テレビ販売 | 中古有機ELテレビ | 中古有機ELテレビ |
4)広告の作成
広告は、広告グループの下に複数作成することができます。以下はGoogle広告の表示例です。
❶表示URL❷電話番号表示オプション❸広告見出し❹説明文❺コールアウト表示オプション
広告見出しには、宣伝している内容を明確にするため最低でも1つのキーワードを含めておきます。事例では「中古パソコン」のキーワードを入れてあります。次に説明文では商品やサービスの内容を詳しく伝えます。行動を促すキャッチフレーズを含めると効果的です。事例では、「送料無料」や「即納パソコン」といったフレーズを入れてあります。
広告グループ | 広告(見出し) | 広告(説明文) |
---|---|---|
中古パソコン | 中古パソコンが激安特価 100万台の取扱い実績 | 全パソコン送料無料!『即納パソコン』なら最短で当日出・・ |
5)キーワードの設定
ユーザーが商品やサービスを探すとき、どのようなキーワードを検索するかを予想します。4)で作成した広告にマッチしたキーワードを設定しておくと、ユーザーがそのキーワードで検索したときに広告が表示されます。事例では、「中古パソコン+安い+横浜」のキーワードです。
キーワードの単価はオークション形式で決定されているため、同じキーワードで競合が多いほどクリック単価が上昇します。反面、キーワードの選定しだいで低単価で高い効果が得られる場合もあります。
マッチタイプを決める
キーワードのマッチタイプには「部分一致」「フレーズ一致」「完全一致」の3種類あります。
マッチタイプ | 使用する記号 |
---|---|
部分一致 | なし |
フレーズ一致 | ””(二重引用符) |
完全一致 | [](角括弧) |
フレーズ一致と完全一致はキーワードに上記の記号を入れます(例:”中古パソコン”、[中古パソコン]
設定したキーワードと、どのくらい厳密な一致を求めるかを指定するのが、キーワードのマッチタイプです。同じキーワードでも、マッチタイプが違えば広告の表示回数は変わります。例えば、多様な検索内容に対して広告を表示したい場合は「部分一致」を、特定の検索内容だけを対象にしたい場合は「完全一致」を使用します。「フレーズ一致」はその中間と考えてください。
6)入札単価の設定
入札単価は、広告グループ単位またはキーワード単位で設定することができます。1回の広告クリックに対して支払い可能な上限額を設定します。例えば、上限クリック単価を100円に設定すれば、支払金額は100円を超えることはありません。広告が配信され、実際に支払う金額はオークション形式のためその都度違います。
7)広告費用の入金(デポジット)
広告費用の支払いは、リスティング広告会社の口座に前もって入金しておきます。例えば月予算が20万円ならその分を、銀行振込み又はクレジットカード決済で支払いをします。広告が消化して入金残高がゼロになる前にまた入金します。
8)広告配信
広告費用の入金が反映されたら広告配信です。広告とキーワードには審査がありますので、審査が通らないと配信できません。
まとめ
本記事では、リスティング広告の仕組みや、開始前の準備には何が必要か、広告アカウントの開設から配信までの流れをかんたんな事例と図を交え、なるべく初心者にもわかりやすく解説しました。
Google広告やYahoo!広告のヘルプページにも詳しく説明されていますが、逆に詳しすぎてこれから始める初心者にはわかりずらいのではないでしょうか?本記事はリスティング広告の全体構成と、おおまかな流れを理解するために、あえて簡略化してあります。
Google広告とYahoo!広告に分けて詳しい記事がありますので参考にしてください。
【2022年版】Google広告の設定方法、分かりやすく画像で解説!
【2022年版】Yahoo!広告の設定方法、分かりやすく画像で解説!
リスティング広告は万人向きではありません。お金をかけずに集客する方法もあります。リスティング広告のメリット・デメリットや他の集客方法について書いた記事もありますので是非参考にしてください。
リスティング広告に向かないビジネスとは?やる前に理解したい実践的な考え方
最後までお読みいただき、ありがとうございます。